2020年5月23日土曜日

キタータキ物語

むかしむかし、あるところに、

キタさんとタキさんが住んでいました。

キタさんは山をシバきに

タキさんは川へ洗濯へ行きました。



タキさんは若かりし頃、

数多の著作権を侵害しその手を汚しました。

ある日、村の若者がキタさんにこう聞いたそうです。

「どうしてタキさんは、いつも川で洗濯をしているの?」

するとキタさんは答えました。

「タキさんはな、過去の過ちを少しでも水に流したいと思って洗濯に没頭し始めたんじゃ。
最初は家事のみじゃったが、気が付けば仕事としても洗濯業を初めておった。」

タキさんにとって洗濯とは“救済”でした。

しかし、毎日の洗濯は次第に依存へと変わっていきます。

その状況を見かねたキタさんは、ある日...

2020年5月4日月曜日

厠に仄めく黒き影

お久しぶりです、かわじんです

先日、我が家のトイレに“黒き悪魔”が現れました

そうです、あいつです




私の家にはトイレが2つあり、うち1つは2階リビングの隣にある家族両用のトイレで、

もう1つは3階の倉庫(元両親の部屋)と自室隣にある、今は私以外使用しないトイレです

今回事件が起きたのは3階のmyトイレでした



ドアを開け
            明かりを付けた
                                その刹那



黒い影が私の右足付近からサササッ...と、
便器の奥に目掛けて一目散に駆ける姿を目にしてしまいました

嗚呼、夢ならばどれ程良かったでしょうか

この家に住み、はや15年

奴の目撃例はたったの2回

私の家族は皆、虫に対しての耐性がありません

決して家に入れない為に
防虫用のアイテムは毎年惜しみなく買い、
玄関の開け閉めは3秒以内を徹底し、
網戸は一切開けず、
エアコンと室外機を結ぶ壁の穴は二重にパテで埋め、
下水から上がるのを防ぐためほぼ全ての配管口に網を配置し、
万が一の為に殺虫剤は常に全部屋に置いてある程です



しかし奴は現れました

本当に何処からやってきたのでしょうか、検討もつきません

ただ、奴がmyトイレに居た原因には検討がつきます



私は掃除が苦手でして



奴は雑食です

名前の由来が食器を齧る事から来ていると言われる程で、人間の髪やフケ、紙なども食べます

当然、私はトイレ掃除など日常的に行う筈もなく

そこには乱雑に散らばった何年分にも及ぶトイレットペーパーの芯、それに付随するペーパー、体毛、その他諸々のゴミの山があるわけです

更に言うなら、ここ数日にわたり続く暑さと、ゴミで暗所が多数あり、熱と湿度が籠りやすい個室

それはそれは、奴にしてみればまさに桃源郷で

私はそこに土足、いえ裸足で踏みこんでしまったのです



姿を見た時には、奴は既に視界の外でした

スプラトゥーンXP2500でも捉え切れ無いのです、なんと恐ろしい

しかし悩んでいる暇はありません

もし奴がこの瞬間に別所に移動でもすれば、家族は誰1人安心して眠れない

それどころか圧倒的繁殖力により家が崩壊する危険すらある

意を決し私は廊下の殺虫剤に手を伸ばす

そして奴が消えたであろうゴミの山に目掛け、人間ですら致命傷を負いそうな量の殺虫剤をぶちまけました



...暫くしても奴は姿を見せません

この奥で死んだか、はたまた私の虫嫌いから来る幻覚だったか

その真相を探るべく、私はアマゾン(ゴミ山)の奥地を目指した

とはいえ、奴が居るかもしれぬゴミ山を素手で片付ける訳にはいきません

私は1度自室に戻り、ゴミ袋と今回の秘密兵器“割り箸”を用意してアマゾンに降り立ちました

この秘密兵器を使い少しずつ山を切り崩していく算段です

多少の弊害(主に割り箸だとトイレットペーパーが掴みにくい点)はありましたが、何とか便器右隣のゴミ山を半分ほど片付けた所で



悪夢は訪れました



私はまるで脳手術をする医者の様に、
丁寧ていね丁寧にゴミの除去作業を進めていると

ふと左足の裏に何かが当たる感触がしたのです

慌てて左足を上げると、そこには

黒き悪魔が蠢いていました



絶叫(この時本dにいた人は聞いていました)も束の間、ここで会ったが100年目

必ずや邪智暴虐の限りを尽くす奴を抹殺する為、今度はピンポイントで殺虫剤をぶちまける

「お前だけは殺すお前だけは殺すお前だけは殺すお前だけは殺す!!!!」



私の憎悪に満ちた攻撃に対し、黒き悪魔はもがき苦しみながらも抵抗を見せたが、やがて仰向けになりピタリと動かなくなった



息を切らし、額には脂汗が滲む

トイレの中は殺虫剤の臭いで充満し噎せ返りそうだ

だけれど悪い気持ちにはならない

私はこの世界戦争に一先ずの終止符を打ったのだ



それから30分程経ち、残りのゴミ回収と穿き掃除も済み、おおよそのトイレ清掃が終わりました

数年ぶりに綺麗になったトイレは2回り大きく感じます

まさか突如我が家を襲った黒き悪魔が原因でトイレが綺麗になるとは、世の中不思議なこともあるのですね

そう思うと奴の出現はそう悪いものでは無かったのかもしれません



今でも左足の裏に蠢く感触が抜けない事を除けば