2022年6月19日日曜日

提出譜面チェックリスト

 「みりあちゃんっていつも譜面作る時に何考えているの?」

 

 そんな居るはずのない人々の疑問を解消するべく、
今回はみりあちゃんが大会譜面を提出する際に使っているチェックリストを公開&解説しちゃいます!

 これを参考にする事で自身の譜面をより客観的に見ることが出来、常に100%の実力を発揮できるようになる...かもしれません(実践難易度の表記もあるよ!)

 まあ、あくまでもチェックリストなので、作譜者の実力を底上げするものでは無いんですけどね...


それでは早速本題です。

 

・この譜面にコンセプトはありますか (中級)

 譜面を作るにあたってコンセプト(テーマ)を決めておくと、配置が思い浮かびやすくなる他纏まりも生まれやすいのでとても良いです。

 そんなのすぐに思いつかないよ~って方は、アルバムや曲の名前、歌詞から着想を得るのもオススメですよ。


Arche : 根源 (今までの大会譜面を踏襲した構成)
Flutter Echo : 反響 (シンメトリーを軸に構成)

 

・新規性、又はオリジナル性はありますか (上級)

 これが出来ていないと所謂「う~ん良い譜面ではあるけど良い譜面で終わりだな~」と思われる可能性が高いです。

 経験上、唯一性は順位に直結するため、上記のコンセプトと併せて"その譜面にしかない何か"を用意すると魅力が引き立ち記憶に残りやすくなります。 

 別に必ずしも新しい事をやる必要はありません、既存のアイデアを昇華させたり複合させるのも一つの手です。

 

・音取りは正しいですか (初級)

 配置のデフォルメ(例:高BPMで32分を24分で取る)、展開の差別化(例:意図的な音抜き)等の例外は勿論ありますが、オートを外して何度も確認しないと意外な所で16分の取り方が違う...みたいな事があります。

 音取りのミスは初心者から上級者まで"誰が見ても分かる"基礎的な問題なので、絶対に間違えないようにしたいですね。

 

・ 音取りのレパートリーに富んでいますか (中級)

 展開の変化に応じてスネアやドラム、メロディ、ボーカル、それらの混合等を上手く使い分けてあげると、譜面にメリハリが付いて良いですよね。

 皆さんは私のような寿司屋でサーモンしか頼まない人にはなってはいけません。


・音ハマりは良いですか (初級)

 普通に譜面を作っているだけだと意外と音ハマりの悪さに気づかないことが多いです。

 なので確認の際は譜面をオートで流しながら目を瞑り、かつ譜面を思い浮かべずに聴いています。
 すると脳の情報処理が聴覚に集中するため、音ハマりの良し悪しが明確に出てくるわけですね。


・配置が曲と乖離していませんか (中級)

 どんなに配置配色で表現したいものがあっても、それが曲に合っていなければ何の意味もありません。

 無音大会でも開かれない限り創作譜面は常に"曲が資本"ですので、上記の音ハマりと併せて曲に寄り添った配置を心掛けたいですね。

 

・全体を通した偶奇、打数のバランスは適切ですか (初級)

  一部展開で奇数偶数の比率を使い分ける等の高等技術は勿論存在しますが、譜面全体で大きな偏りがあると平坦な印象を与えてしまいます。

 打数においても連続して配置する事により譜面を印象付ける高等技術が存在しますが、その意図を伝える技術力が無ければ諄いだけに終わってしまいます。

 まあ要するに同じ配置ばっかり置かない方が"基本的には"良いよねって感じです。

 

・同配置色が過多になっていませんか (中級)

 上記の内容に配色が加わったものになります、「この配置無駄に多くね?」と思われたが最期。

 ABACのような繰り返しを使う際に私でもたまに見落とすので、ちゃんと気を付けないと足元掬われます。

 ここで頭の良い方であれば逆転の発想をする事が出来ます。
 同配置同配色を多く使うと諄い、つまり体感時間が長くなるのであれば、短い曲に使うと満足感を得ることが出来てプラスに働く可能性もあるんですね。

 こういう事に気付き始めると創作がどんどん楽しくなっていきますよ!

 

・密度遷移は適切ですか (中級)

 本命のサビとその他のパートの密度が大して変わらなければ、譜面のどこが魅せ場なのかはっきりと分かりません。

 "この譜面で一番魅せたいのはどこか"を念頭に、展開に応じた音取りの足し算引き算を考え、メリハリのある印象を持たせてあげたいですね。

 なお、必ずしも本命のサビの密度を上げる必要はありません。楽曲によっては物凄い低密度にする事も味があって良いので、要は曲に合ってりゃOKです。

 

・繰り返しは上手く使えていますか (中級)

 繰り返しは序盤やビルドといった展開で意識して置いています、特にサビを自由に置きたい時の前後の導入として非常に優秀です。

 繰り返しはコルセットのようなものだと私は考えています。猫背のデブより、背筋が伸び腰の引き締まった人の方が大多数には魅力的に見えるじゃないですか。
 繰り返しも同じで、使い方が上手いと譜面全体が纏まりかつ魅力的な部分を引き立たせてくれます。積極的に使っていきたいですね。

 ただし繰り返しをコンセプトに譜面を作ろうとすると、良譜面は簡単に作れますが神譜面にするには最上級の技術力が必要になります。

 

・配置でラインを組めていますか (中級)

 繰り返しと近いですが、こちらはREDONLY/BLUEONLYまたは通常時で再生した場合に、楽曲の進行コードと大きなズレが無いかを確認する項目です。

 特にドラムやキックの主張が弱い曲では譜面で基礎を作る必要があるので、上記の繰り返しを行う際に音ハマりと合わせて考えたいですね。

 ちょっと分かり辛いし例えも思い付かないんですけど、ムンベなのに四つ打ち主体になってるとか、ハードコアなのに面が裏拍や付点ばかり...みたいな事にならないようにしようって事です。


・配色比率に偏りはありませんか (初級)

 明確なコンセプトが無い限りは、総コンボ数からなる面と縁の比率を極端にするべきではありません。

 各展開を通し常に面が多い、常に縁が多い、常に比率が一定過ぎる...といった譜面は、視覚的変化の一部を犠牲にするため諄さに繋がり結果を残し辛い(もしやるなら玉座で殿堂入りした某神譜面くらい尖らないと難しい)です。

  あくまでも簡素な例ですが、前半は縁多めで中盤は同比率、後半は面多めにする...といったような、展開に応じた配色の変化(これを私は俯瞰配色遷移と呼んでいます)を付けた方が大抵の場合見栄えは良くなります。
 曲の性質や音ハマりと併せて考えたいポイントですね。

 

・展開の差別化は出来ていますか (上級)

 今までに書いた項目を総動員させ、全ての展開を魅力的にしつつコントラストをかける事によって差別化を図ります。

 ただ、曲に2回同じ展開がある場合、ごく稀にスクロールだけ変えて1度目の配置をそのまま使う事もあります。
 そうした方が完成度が上がる場合もあるんですよね、いやー譜面作りは奥が深いなあ。

 

・配置のパターン化は上手くされていますか (上級)

 これはちょっと繰り返しとは違う意味で、
譜面全体を俯瞰した際に大きく展開が変わる箇所などで意図的に同じ配置をする事を指します。

 コンセプトの項目で書いた曲の譜面を例にすると、
 Archeの「1010201020201020,1121221211121222,」(サビ前の示唆)や、
 Flutter Echoの「1222122121221222」(魅せ場の強調)です。

 こういった配置を敢えて何度も使う事によって、その譜面の区切りや魅せたい部分を明確にすることが出来ると考えています。

 因みにこれを読んでいる方は別にやらなくていいです、私の専売特許だと思っているので(笑)

 

・すべての配置に意味を持たせていますか (上級)

 今までに書いた項目を参考に作れば、自ずと配置に意味が生まれると思います。 

 その配置が相手に伝わるかは実力に依存しますが、なぜそうしたのかを言語化する事は次郎に限らずどの世界でも重要ですので、意識して見ると良いと思います。

 余談ですが、上級者には稀に完全に感覚で配置していると言う方がいます。嘘です、騙されないでください。

 そういう方々は、必ずそれまでの膨大な経験値に則った感性の元で"これならいける"と判断しているだけです。
 ただその経験値を言語化していないだけで、理論の元で成り立っている事に変わりありません。

 初めから譜面作りがある程度上手い方も、大抵は音楽経験があったり音ゲーに造詣がある等の経験値があるからです。

 コツコツ頑張るしかありません。

 

・ゴーゴー、ギミックの表現は適切ですか (初級)

 演出は調味料です、曲の素材がどの程度か判断し適量を入れる事によって成立します。多すぎると良くないですものね。

 因みに私は過去に大会でゴーゴーを1か所切り忘れ、1点差で負けるという大失態を犯しています。Invationっていう譜面なんですけど。 

 

・スクロールは適切ですか (初級)

 こちらはフレーバーだと考えています、上記同様に使い過ぎると風味を損なうため適量が良いですね。

 特にグラデーションの多用や速過ぎるスクロールは危険です、プレイ面を重視する人からすれば曲の雰囲気に関係なく減点対象になります。

 あとは基本スクロールをどうするかも譜面の印象に直結します。特にジャズやフュージョン、ハイテック辺りのジャンルは基本スクロールによって印象が大きく変わるので気を付けたいですね。

 

・プレイ感に支障はありませんか (中級)

 これはプレイの上手さに直結するので人によっては難しいですが、重い配置の後は一度軽くするとか、交互で叩いた時に難所を利き手から入れるか...等、理論で組める箇所もあるので意識したい点ですね。

 グルーヴ感に関しては言語化の難易度が途轍もなく高い(私でさえ難しい)ので、楽しい譜面を見つけて真似するのが手っ取り早いです。
 言えることがあるとすれば、譜面と譜面の"間"を意識すると良いかもしれません。

 

・ヘッダー情報、命令文に誤りはありませんか (大前提)

 数字が実はちょっと違っていた...なんて事の無いように気を付けましょう。

 特にTOTAL値やギミック調整のMEASUREズレなど、変化の少ない物ほど自分では気付きにくく危険です。 

 因みに私はリーグ戦の決勝に出した譜面のOFFSETが10m秒ずれていた事があります、なにやってんだバカ。

 

・各小節の文字数は正しいですか (大前提)

 私は1小節内に48個数字が無いといけないのに49個書いて音符間隔がおかしくなった事があります。

 恋の空中分解っていう譜面なんですけどね、大会の結果発表後に初めて気付き泣きたくなりました。

 

・ファイル名や提出シート内に誤りはありませんか (大前提)

 流石に間違えないだろwと思いつつ、zipに纏める時何度も確認しちゃうやつ。

 

・この譜面に自信はありますか (個人差)

 これの何が良くないかというと、自信のない譜面を出すとどの順位を取っても学びが少ないんです。

 自信のある(自分が良いと思う)譜面であれば順位に関係なく周囲との認識のズレを再確認できるので、常にベストを尽くす事は非常に重要であると考えます。

 



 以上になります、お疲れさまでした。

 製作者によって意識している内容は多岐に渡りますが、私は譜面を作る時こういう事を気を付けているよ!というブログでした。

 皆さんも是非、普段意識している点を一度言語化しチェックリストを作ってみてはいかがでしょうか。
 自分の譜面感(個性とか)を見つめ直す良い機会にもなるかもしれませんよ!

 

 なお、この内容はあくまでも作譜時に意識する項目であり、
"他者の譜面を評価する項目ではありません"。

 もしこのブログを読んで参考にしてくれる方がいるのであれば参考程度に留めて下さい、みりあちゃんとの約束です。

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